こんにちは。吹田市・千里山のわに司法書士事務所です。
今回は、相続人が遠方に住んでいる場合に役立つ「遺産分割協議証明書」について解説します。
相続手続きでは、相続人全員で遺産の分け方を決め、書類を作成する必要がある場合があります。しかし、相続人が全国各地に住んでいると、書類のやり取りに時間がかかることも少なくありません。
そのようなときに検討できるのが、遺産分割協議証明書です。通常の遺産分割協議書との違いや、利用する際の注意点を見ていきましょう。
遺言書がなく、相続人が複数いる場合に、相続人間で遺産の分け方を決めるときは、原則として相続人全員で遺産分割協議を行います。
不動産や預貯金などの相続手続きを進めるためには、合意した内容を証明する書類が必要になることがあります。
一般的には「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名し、実印で押印します。
ただし、相続人が全国各地に住んでいる場合、全員が一つの書類に順番に署名・押印するには、郵送の手間や日程の調整が必要です。
そこで、書類のやり取りを進めやすくする方法として、遺産分割協議証明書が利用されることがあります。
遺産分割協議証明書とは、相続人全員で合意した遺産の分け方について、各相続人が個別の書面で証明するための書類です。
通常の遺産分割協議書では、一つの書類に遺産の分け方を記載し、相続人全員が署名・実印で押印する方法が一般的です。
これに対し、遺産分割協議証明書では、同じ内容の書面を相続人ごとに作成し、それぞれが署名・実印で押印します。
例えば、相続人が大阪、東京、福岡に住んでいる場合、全員が一つの書類を順番に郵送するのではなく、それぞれが個別に書面を作成できます。
相続人同士が遠方に住んでいる場合や、相続人の人数が多い場合に、書類のやり取りを進めやすくなることがあります。
両者の大きな違いは、合意した内容を証明する書面の作り方です。
【遺産分割協議書】
・一つの書類に遺産の分け方を記載する
・相続人全員が同じ書類に署名・実印で押印する方法が一般的
【遺産分割協議証明書】
・遺産の分け方について、相続人ごとに証明書を作成する
・各相続人が個別の書面に署名・実印で押印する
どちらの方法でも、相続人全員の合意を証明することが必要です。遺産分割協議証明書を利用しても、相続人全員の合意が不要になるわけではありません。
主に、次のような相続手続きで利用が検討されます。
亡くなった方が所有していた土地や建物について、相続人のうち誰が取得するのかを決めた場合、その内容を証明する書類として利用できることがあります。
ただし、登記申請に使用する場合は、相続関係や記載内容、必要な添付書類などを確認する必要があります。
銀行などの金融機関で、亡くなった方の預貯金の払戻しなどを行う場合にも、遺産分割協議証明書が利用できることがあります。
ただし、必要書類や受付条件は金融機関によって異なります。事前に取引先の金融機関へ確認しておきましょう。
相続財産の種類や手続き先によっては、遺産分割協議の内容を証明する書類が必要になることがあります。利用できる書類の種類や要件は、提出先に応じて確認しましょう。
作成する際は、次の点に注意が必要です。
相続人の一部だけで遺産の分け方を決めても、原則として有効な遺産分割協議にはなりません。まず、戸籍などで相続人を正確に確認し、全員で合意することが大切です。
相続人ごとに作成する証明書の内容が食い違っていると、手続きに支障が生じるおそれがあります。誰がどの財産を取得するのか、財産の表示などを正確に記載しましょう。
不動産の相続登記と預貯金の相続手続きでは、必要となる書類が異なる場合があります。利用する前に、提出先の要件を確認することが重要です。
相続手続きでは、戸籍の収集や相続人の確認、遺産分割協議書などの書類作成、不動産の相続登記、預貯金の払戻しなど、さまざまな手続きが必要になることがあります。
相続人が遠方に住んでいる場合でも、書類の作成方法を工夫することで、手続きを進めやすくなることがあります。
吹田市・千里山のわに司法書士事務所では、相続登記をはじめ、戸籍の収集や相続関係書類の作成など、相続に関するご相談を承っています。
相続人が遠方に住んでいて手続きが進まない方や、どのような書類を用意すればよいか分からない方は、お気軽にご相談ください。